ヒカリテラス2021…zoomで読み聞かせ&読書会

新型コロナ感染症が世界的な流行をする中、ついに1月7日に首都圏に2回目の緊急事態宣言が発令されました。糸魚川市では発表によると、感染者数がまだ片手で数えられる程度ではあるので、例年どおり行ってもいいとは思いました。

このウイルスは、ローカルで同期性のある行為を禁止します。寺の活動はまさにこの行為の上に依存して成り立っているし、ウイルス以前からすでに失われていました。寺院は必要とされなくなっていました。この流れに乗って行くと順調に、更に加速度を得て寺がなくなっていくのは確実です。

寺院の活動内容は変えられないが、活動方法は変えることは可能です。ヒカリテラスが今まで育ててきたコンテンツの一つである読書会を、とりあえずzoomでやろうと思ったのはこんな経緯だったと思います。

1日目の2月20日にはいつも助けてくれる絵本専門士の朝日仁美さんの読み聞かせ「こんな時期だからこそ 読んでみてほしい絵本」と桃の節句に合わせて「ピンク色の表紙の絵本」というテーマで選書して読み聞かせをして頂きました。(ブックリスト)

2日目の2月27日は読書会。与謝野晶子の「感冒の床から」というスペイン風邪が流行した、1918年に書かれたテキストを皆で一緒に読み、100年前と現在の、パンデミックの世相を比較しながら話し合いました。40代女性、与謝野晶子の政府批判の舌鋒は鋭い。100年前は、第一次世界大戦と第二次世界大戦の端境期、一握りのエリートと庶民の階級差が顕著になっていました。社会矛盾を解決するために、現在にも通じる立憲主義、人の権利といった理論やシステムが次々と生み出されます。それと同時に、感染症・戦後の恐慌・関東大震災などを経て、日本でも世界でも、軍部による政治支配が進んで行く不安定な時代だったことがわかります。経済的に後退し続け、東日本大震災からの復興もできず、コロナ感染症の対応にも不安しかないオリンピックを嫌でも重ねてしまいます。朝日さんには与謝野晶子といえば、義務教育の教科書ではまずは反戦歌人。「戦争」というテーマで選書して読んで頂きました。(ブックリスト)長く読み継がれる心に響く絵本の条件の一つは「説教臭くない」だと思います。

初リモートのヒカリテラス。リモートであっても参加者の皆さんが会を作ってくれる、という実感を得ることができたのは大きなことでした。ローカルコミュニケーションのコストが上がる中、リモートでの利点は確実にあります。デジタルの壁を自然に、軽やかに取り払っていくことが、やはり課題として残りました。


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